英語多読におすすめの無料洋書7冊【初心者からレベル別・A1-C1】
英語多読に使える無料の本7冊を、初心者向けのA1からC1までレベル別に紹介。音声つきの絵本1冊と、難しい単語の割合を数えて順位をつけた古典6冊を、無料のオーディオブックと合わせてまとめました。
英語の本を1冊まるごと読み通せるかどうかは、今の実力を知るいいものさしになります。よく勧められるのは、出版社がレベルごとに書き直したグレーデッドリーダーから始める方法です。たしかに効果はありますが、お金がかかりますし、ネットで見つかる「無料PDF」はたいてい海賊版です。それでも、レベル別の多読を無料で、しかも合法的に続ける方法はあります。本をレベル分けしている子ども向けの電子図書館と、パブリックドメインになった古典小説です。
悩ましいのは、どの古典がやさしいのかがわからないことです。そこで2026年10月、私たちは有名な本16冊の無料テキストを集め、英語でよく使われる3,000語に入らない単語がそれぞれどれだけあるかを数えました。100語あたりのこの数が、だいたい辞書を引きたくなる頻度です。以下では、無理なく一段ずつ上がっていける7冊を選び、それぞれ無料の電子書籍と、あるものについては無料のオーディオブックを紹介します。
ひと目でわかる一覧
- A1: The Red Raincoat、朗読の音声がついた絵本
- A2: The Wonderful Wizard of Oz(難しい単語は100語中およそ7語)
- A2-B1: Alice’s Adventures in Wonderland(100語中およそ8語)
- B1: オスカー・ワイルドのThe Happy Prince(100語中およそ9語、短編1話)
- B1-B2: The Adventures of Sherlock Holmes(100語中10語)
- B2: Pride and Prejudice(100語中11語)
- B2-C1: The Great Gatsby(100語中12語)
レベルは、この集計と実際に読んでみた感触から私たちが判断した目安で、公式の表示ではありません。
1. The Red Raincoat:耳でも楽しめる絵本(A1)
まずはここから: Kiran Kasturia作、Zainab Tambawalla絵の“The Red Raincoat”(CC BY 4.0) · StoryWeaver
StoryWeaverは、出版社Pratham Booksが運営する子ども向けの無料電子図書館です。どの本にも1から4までのレベルがついていて、英語の本だけでも最初の3つのレベルにそれぞれ何千冊もあります。“The Red Raincoat”は、Level 1の英語の本の中でいちばん読まれている1冊です。日曜日に新しいレインコートを買ってもらったマヌは、着ていいかと毎日たずねます。どのページも絵と2、3行の文だけで、お母さんの返事はたいてい韻を踏んでいます。雨がやっと降るのは土曜日です。
お話全体で約230語。Readalongを押すと朗読が流れ、聞き終わるまで2分半ほどです。読むだけならアカウントは要りません。わからない単語で止まってしまったら、同じ本が153言語・283バージョンで公開されているので、自分の言語で同じページを確かめられます。絵本はもちろん子ども向けですが、A1のうちは、途中で投げ出した小説より、声つきで最後まで読めた1冊のほうがずっと力になります。
2. The Wonderful Wizard of Oz:計測した中でいちばんやさしい古典(A2)
まずはここから: 第1章“The Cyclone” · Standard Ebooks
数えた本の中で、難しい単語がいちばん少なかったのがこの“The Wonderful Wizard of Oz”(オズの魔法使い)です。100語中7語に届きません。ボームが1900年に子ども向けに書いた作品で、英語は飾り気がなくストレートです。カンザスの農場で暮らすドロシーは、竜巻に家ごと飛ばされ、家に帰してもらおうとエメラルドの都の魔法使いを目指して歩きます。映画でお話を知っている人も多いはずで、語彙が難しくなってきたときにはそれが大きな助けになります。
とはいえ、れっきとした1冊の本です。短い章が24あり、全体で約39,000語。Standard Ebooksの見積もりでは読了まで2時間半です。A2なら数週間かけるつもりで取り組みましょう。Standard Ebooksでは、Kindle、Kobo、そのほかの電子書籍リーダー向けの形式で無料ダウンロードできます。パブリックドメインの本をボランティアが録音しているLibriVoxには、4時間近い無料の朗読があります。
3. Alice’s Adventures in Wonderland:短いけれど言葉遊びだらけ(A2-B1)
まずはここから: 第1章“Down the Rabbit-Hole” · Standard Ebooks
“Alice’s Adventures in Wonderland”(不思議の国のアリス)はオズより短く、12章で約27,000語。私たちの集計では難しい単語が100語中およそ8語と、やさしさもオズとほとんど変わりません。Standard Ebooks版にはジョン・テニエルによるオリジナルの挿絵が残されていて、アリスの体が伸び縮みする場面や、想像しにくい生き物が出てくる場面で頼りになります。
手ごわいのはジョークです。キャロルは言葉で遊ぶ作家で、本の中には“How doth the little crocodile”のようなおかしな詩がたくさん出てきます。こうした部分はネイティブにとっても難しいので、詩でつまずいたら飛ばして、お話の続きを読みましょう。LibriVoxの朗読は約3時間です。
4. The Happy Prince:ひと晩で読み切れる1話(B1)
まずはここから: Children’s Storiesの最初のお話“The Happy Prince” · Standard Ebooks
長編はまだ荷が重いと感じるなら、短編から始めましょう。“The Happy Prince”(幸福な王子)は約3,500語です。金箔に覆われた像が町を見下ろしていて、仲間がエジプトへ渡ったあとも残っていた小さなツバメが、その足もとで羽を休めます。ひと晩で読んで最後まで終えられる。この手応えが、思っている以上にやる気を支えてくれます。
ワイルドの文はシンプルですが、語彙はボームより豊かで、難しい単語は100語中およそ9語です。Standard Ebooksでは短編集Children’s Storiesの最初にこのお話が置かれ、“The Nightingale and the Rose”や“The Selfish Giant”など、同じくらいのレベルの作品が続きます。LibriVoxには、The Happy Prince and Other Talesの1時間40分ほどの朗読があります。
5. The Adventures of Sherlock Holmes:12の事件を1話ずつ(B1-B2)
まずはここから: “A Scandal in Bohemia” · Standard Ebooks
本全体は10万語を超える長さですが、中身は独立した12のお話で、どれも1話で事件が解決します。最初の“A Scandal in Bohemia”(ボヘミアの醜聞)はアイリーン・アドラーが登場する回で、約8,600語。語り手のワトソンは短く明快な文で話を進めます。
よく使われる3,000語から外れる単語は100語中10語あり、2種類の馬車を指すbroughamやlandauのような古い言葉にも出会います。ほとんどは筋に関係ありません。誰が何をしたのかを追えているなら、気にせず読み進めましょう。LibriVoxの全12話の朗読は約10時間あるので、1話ずつ聞いていけます。
6. Pride and Prejudice:文は長いが、読む価値は十分(B2)
まずはここから: 第1章 · Standard Ebooks
私たちの集計では、オースティンの語彙はシャーロック・ホームズより少し難しい程度で、難しい単語は100語中およそ11語です。手ごわさは別のところにあります。Standard Ebooksはどの本にも読みやすさのスコアを表示していて、“Pride and Prejudice”(高慢と偏見)は60。このリストに入っているほかのStandard Ebooksの本は73から80です。文は長く、礼儀正しく、皮肉がきいていて、登場人物が口にしないことのほうに本当の意味が隠れていることもよくあります。
この記事でいちばん長い本でもあり、61章で約122,000語あります。ただし1章1章は短く、第1章はほとんどがベネット夫妻の会話なので、腕試しにちょうどいい長さです。楽しく読めたなら、19世紀の小説のほとんどに手が届きます。LibriVoxには約13時間の全編朗読があります。
7. The Great Gatsby:短いのに言葉が豊かな小説(B2-C1)
まずはここから: 第1章 · Standard Ebooks
“The Great Gatsby”(グレート・ギャツビー)は9章で約48,000語と短いので、手軽に見えます。でも、だまされてはいけません。7冊の中で難しい単語がいちばん多く、100語中およそ12語でした。ニック・キャラウェイがロングアイランドに住む裕福な隣人の物語を語り、フィッツジェラルドは人物や場所を、会話ではまず耳にしない言葉で描いていきます。
ここまでの本が楽に読めるようになってから手に取りましょう。おすすめは、音声と一緒に1章ずつ読む入り方です。LibriVoxの朗読は約5時間半で、章ごとにファイルが分かれています。無料の電子書籍はStandard Ebooksにあります。
途中で挫折しない英語の本の読み方
短いからやさしいとは限りません。“The Tale of Peter Rabbit”(ピーターラビットのおはなし)はわずか1,000語ほどですが、私たちの集計では10語に1語が難しい単語で、シャーロック・ホームズと同じです。短い長編の“The Call of the Wild”(野性の呼び声)は100語中15語で、ギャツビーより多くなりました。本を選ぶときは、ページ数ではなく最初の数ページを確かめましょう。
- 最初の1ページで試す。 1ページで辞書を引く回数が5、6回を超えるなら、リストからもっとやさしい本を選びましょう。
- 筋を追うことを優先する。 単語を調べるのは、何が起きているのかわからなくなったときか、3回目に出てきたときだけで十分です。
- 聞きながら読む。 LibriVoxの朗読を流して、文字を目で追います。単語の音がわかるうえ、知らない単語のたびに立ち止まることもできなくなります。
- 1日の量は少なめに。 1日1章で十分です。1か月かけて読み終えた1冊は、1週間で投げ出した3冊より多くのことを教えてくれます。
- 書き留める単語は全部ではなく、いくつかだけ。 出てきた文ごと残した5語は、文なしで並べた50語より価値があります。
本の朗読を聞くほうが好きなら、英語オーディオブックが聴けるYouTubeチャンネルのリストも、同じくA1からC1まで並んでいます。
無料の本をもっと探すには
StoryWeaverには、4つのレベルに分かれた英語の絵本が何千冊もあります。Standard Ebooksには丁寧に編集されたパブリックドメインの古典が1,000冊以上あり、Project Gutenbergには、もっとシンプルなファイル形式の無料電子書籍が75,000冊以上そろっています。その多くは、LibriVoxで無料の朗読も聞けます。これらの本はすべて、各サイトの拠点があるアメリカではパブリックドメインです。ほかの国に住んでいる場合は、とくに20世紀の本について、自分の国のルールを確認しておくと安心です。
PlayLingoで1行ごとに訳を見ながら読む
PlayLingoでは、動画やポッドキャストだけでなく本も開けます。レベル順に並んだ「本」の棚から古典や児童書を選ぶことも、パブリックドメインの作品をタイトルで検索することも、手持ちのEPUBやPDF、ページを撮った写真を開くこともできます。本は1文ずつ表示され、各行の下にあなたの言語への翻訳が出ます。音声で読み上げさせると、今読んでいる単語がハイライトされます。
単語やフレーズをタップすると、その文の中での意味をLingoが説明してくれます。保存した言葉は、出てきた文と一緒にあとで復習に出てきます。読書も本のカタログも、1日の上限の範囲内なら毎日無料で使え、Proにすると上限がなくなります。詳しい使い方はこちら:翻訳つきで洋書を読む。
よくある質問
英語多読は初心者だと何から読めばいい?
A1なら、StoryWeaverのLevel 1の絵本から始めましょう。たとえば“The Red Raincoat”は朗読も聞けます。A2なら、私たちが計測した古典小説の中でいちばんやさしかった“The Wonderful Wizard of Oz”がおすすめです。
グレーデッドリーダーを無料で読む方法はある?
Oxford BookwormsやPenguin Readersのような出版社のグレーデッドリーダーは有料の本です。無料でレベル別に読みたいなら、StoryWeaverのようにレベル分けされた子ども向けの電子図書館と、このリストのように語彙で選んだパブリックドメインの古典を使いましょう。
B1レベルにおすすめの英語の本は?
まずはオスカー・ワイルドのChildren’s Storiesから“The Happy Prince”やほかのお話を読み、そのあと“The Adventures of Sherlock Holmes”を1話ずつ読んでみてください。
洋書を読むだけで英語は身につく?
身につきます。ただし、読んだ内容の大部分を理解できていることが条件です。1冊の本には何千もの新しい文があり、どの単語も文脈の中で出会えます。1ページのほぼすべての単語を知っている本を選び、音声を聞きながら読みましょう。
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